MCUboot (3)
2024/07/13
評価ボードnRF5340 MDBT53-1Mモジュールピッチ変換基板が自分でビルドしたアプリを焼くと動かない件の調査である。
今日は今までの状況を整理する回です。
ここまででわかったようなこと
- ncs v2.6.0以降から動かないようになった。
- v2.4.0とv2.5.3では動いた(それ以外は試していない)。
- v2.6.0からブートローダMCUbootのコードで
flash_area_open()の戻り値をチェックするようになり、そこで止まるようになった。 
- チェックしている部分をコメントアウトすると進むので、以前からエラーを返していたのだろう。
- 提供されたボード定義ファイルを使わず、nRF5340DKをベースに作ると起動した。
- nRF5340DKの定義ファイルはMCUbootを使っていなかった。
- 使うように設定したつもりだが、動いているように見える。ただブレークポイントで止まってくれないしボタンを押したまま起動しても復旧モードになってくれなかったので自信がない。
- 提供されたボード定義ファイルの場合はアプリの
main()には届かないものの、ボタンを押したまま起動すると復旧モードで起動している。これはProgrammerアプリがUSB接続したMDBT53を認識しているので間違いないだろう。
あまり進展はしていないと見るか、進んではいるとみるか。
デバッグがうまくいっていない
ブレークポイントでのデバッグがうまくいかない。 こちらもわかっていることを書いておく。
FIH_PANICでは停止する。- アプリの
main()では止まってくれる。 - MCUbootの
main()でも止まるようだが、ステップ実行などができない。- STOPボタンは使えるようだ。
- RESTARTボタンだと
reset.Sで止まってしまうのもよくわからない。
- vscodeでは
#ifdefの有効/無効でエディタのコード表示が薄い色になったりするのだが、正しく反映されていないように見える。- ボタンを押したまま通常起動させた後、ACTIONS > Debug から “Attach Debugger to Target”すると
boot_serial_read_console()にいるところだったが、コードをたどっていくとmain.cに到達したもののエディタの表示は薄くなっていた。 #includeがいくつかエラーになっているのでインクルードパスの設定がいるのか?- ncsのディレクトリを直接vscodeで開いたときは
.vscode/c_cpp_properties.jsonの”includePath”に"${workspaceFolder}/bootloader/mcuboot/boot/zephyr/include"を追加すると参照するのだが、vscodeのworkspaceとしてncsのディレクトリを追加すると参照してくれないようだ。 - Kconfigの設定はヘッダファイルとして
build_mdbt53/mcuboot/zephyr/include/generated/autoconf.hのようなファイルに載っていた。
- ボタンを押したまま通常起動させた後、ACTIONS > Debug から “Attach Debugger to Target”すると
その他
今までの調査では ncs は v2.6.1を使っている。
が、ちょうど v2.7.0 がリリースされたので 今回から v2.7.0 にする。
v2.7.0 になってもFIH_PANICで止まるのは同じである。
writer: hiro99ma